こんな疑問に答えます。
この記事の内容
- IELTSとは?
- 必要な英語力ってどれぐらい?(6.0と7.0)
- IELTS初心者のための10ステップ
- 本番で使えるコツやテクニック
当校について
2009年にカナダ初の日本人講師陣によるIELTS専門校として創設され、11年間に渡って1,000人以上の日本人を指導。
IELTSとは?
IELTSが必要な場面は大きく分けて4つに分かれます。
- 進学(海外のカレッジ、大学、大学院)
- 移民
- 研修
- 大学受験(国内)
モジュールとは?IELTSには二種類ある!
IELTSを受ける目的によって、受験するIELTSの種類は変わってきます。
アカデミックモジュール
アカデミックは進学を目的とする人たちが受けるタイプのIELTSです。
- オーストラリア
- カナダ
- ニュージーランド
- アメリカ(一部を除く)
上記の国のほとんどの教育機関はIELTSのスコアを見て、合否を判断するところが多いです。
ジェネラルモジュール
ジェネラルは、移民を考えている人たちが受けるテストになります。アカデミックよりも難易度が簡単になっているのが特徴です。
IELTSの受験会場
日本では、IELTSは皆さんがご存知の『英検』と『JSAF』という二つの団体によって開催されています。試験内容や受験料に違いは全くありませんが、進学先などによってはJSAF主催のIELTSでないといけない場合もあったりするので注意が必要です。英検主催のIELTSの場合は、当日、パスポートの原本とコピーが必要ということも覚えておきましょう(JSAFは原本だけでOK) 。
また、IELTSは紙で受けることも、パソコン(自宅ではなく、現地まで出向く)で受験することも可能です。
>>IELTSコンピューターのメリットとデメリット。紙とどっちがオススメ?
IELTSの試験内容は4技能!
IELTSでは4つの英語技能の総合力をテストされます。日本の場合、以下の順で当日の試験は行われます。
- ライティング(2題)
- リーディング(40問)
- リスニング(40問)
- スピーキング(3題)
カナダなどの海外の場合は以下の順で当日の試験は行われます(2020年4月現在)。
- リスニング(40問)
- リーディング(40問)
- ライティング(2題)
- スピーキング(3題)
試験内容に差異はありません。
IELTSのスコアの採点は0~9で決まる!
それぞれの技能は、0~9で採点され、オーバーオール(平均値)と呼ばれる0~9の数字であなたの総合スコアが決まります。多くの大学は6.0~6.5を入学の基準としています。
結果は、紙受験の場合は13日後、パソコンで受験した場合は5~7日後にオンラインで確認可能です。コンピューター受験はペーパー受験に比べて結果が出るのがとても早いので、スコア達成の期限が迫っている方はコンピューター受験のほうが良いでしょう。
TOEFLとTOEICとの違いは?
TOEFLやTOEICとの違いについて解説します。
TOEIC
- ビジネス英語が中心
- 残念なことに、英語圏ではまず無名であるため、通用しない
TOEFL
- ジャーゴン(専門用語)が多い
- アメリカではIELTSよりも主流
IELTSのアメリカ版(ただし専門用語が多くて複雑)と言えば分かりやすいと思います。
IELTS
- いわゆるビジネス英語はほぼ皆無
- 専門用語は覚える必要はほぼない
- 政治、宗教、経済などはほぼ出ない
- 内容は 『歴史』『科学』『伝記』『自然』『技術』『地理』などが多い
- 回答のスキルが必要(これはむしろメリットと捉えるべき)
IELTS初心者でも、IELTSを受験すべき理由とメリット
学生にとってのメリットは就職に有利になることで、社会人にとってのメリットは社費を使っての留学や英語力の証明に役立つということが挙げられます。
学生(高校生含む)がIELTSを受験するメリット
学生がIELTSを受験するメリットは就職に有利になるという点です。以下への就職を考えている人は、IELTSを取っておくと、必ずプラスに働くはずです。
- 海外展開をしている、または今後する可能性のある日本企業
- 外資系企業の日本支社
- 外務省・その他英語を使う公的機関の職種
- 公立学校の英語教員
また、高校生は大学受験の英語の試験免除になるというメリットも!
>>高校生がIELTS対策をすべき理由とメリット【受験免除】
社会人がIELTSを受験するメリット
ズバリ、社費留学などに大きくプラスの要素になります。選考の段階でIELTSのスコアを持っているだけで大きな信頼が得られるはずです。
また、日本の労働環境に疲弊してしまった方が、海外に移住したいというケースもよくあります。そういう方にとっても、IELTSが必須になってくるはずです。
IELTS初心者向けにパートごとの流れを解説
IELTSの試験の順番で見ていきましょう。
ライティング
アカデミックとジェネラルで内容が異なります。時間は1時間で、設問は二題。
アカデミック
Task 1
棒グラフ、円グラフ、地図、過程(プロセス)といった挿絵やグラフを見て、特徴を述べる(150文字以上)
Task 2
与えられたテーマについて、自分の意見や主張を論理的に展開する必要があるエッセー(250文字以上)
ジェネラル
Task 1
依頼、苦情、お礼、お詫びに関しての手紙を書く(150文字)
Task 2
与えられたテーマについて、自分の意見や主張を論理的に展開する必要があるエッセー。アカデミックよりも少し易しいトピックが出る傾向にある(250文字以上)。
リーディング
時間は1時間で、合計40問。
アカデミック
Passage 1~3
各700~1000語程度(約2ページ分)のパッセージが3つあり、それぞれに関して12~13問出題される。『歴史』『科学』『伝記』『自然』『技術』『地理』といったトピックが頻出。
ジェネラル
Passage 1~2
日常生活、ビジネス、大学生活に関する300~500語程度のパッセージが各セクションにつき2つあり、それぞれについて5~7問出題される。一つのセクションは12~13問。
Passage 3
700~1000語程度(約2ページ分)のパッセージが一つあり、12~13問出題される。
リスニング
試験内容は、アカデミックとジェネラル共通です。時間は40分で、合計40問あります。30分は音声を聞く時間で、問題用紙に答えを書き、残り10分は解答用紙に答えを書き写す時間。
パソコン受験の場合は、時間は32分で、合計40問あります。パソコン受験の場合、音声を聞く時間は30分で、問題用紙から解答用紙に答えを書き写す時間は2分しか与えられません。
Part 1
お問い合わせや申し込みといった日常的な会話が繰り広げられる。解答は、電話番号、住所、国名、時間などといったものが多いのも特徴。一番簡単なパートで、穴埋め問題形式となっている。
Part 2
話者は一人で、旅行の案内などのスピーチをひたすら聞く問題。日常生活に関わる内容が多い。
Part 3
ほとんどの人にとって、おそらく一番難しいパートです。2人~4人によって会話が繰り広げられます。生徒が教授にプロジェクトの進行についての相談をしていたり、研修についての質問をしたり、内容はさまざま。
Part 4
大学の講義が多く、話者は一人です。Part 1と同じ、穴埋め問題の形式。
スピーキング
試験内容は、アカデミックとジェネラル共通です。時間は14分です。
Part 1
自己紹介、自分の出身地、趣味などといった基本的な情報を聞かれるパート。
Part 2
試験官にテーマが書かれた紙をもらうので、それについて約2分間スピーチをします。考える時間は1分間。
Part 3
Part 2で聞かれた質問をもとに、さらに掘り下げた質問をされます。試験官は自分の意見を言ってくることはありませんが、受験者の意見が不十分であったり不明確である場合には、『Why?』『How?』のような ツッコミが入ります。
初心者がIELTSでハイスコアを取るために必要な英語力とは?
これに関しては別記事でまとめてあります。
IELTS オーバーオール6.0に必要な英語力
>>表でわかる!IELTS 6.0ってどれくらい難しいの?難易度と対策。
IELTS オーバーオール7.0に必要な英語力
>>表でわかる!IELTS 7.0ってどれくらい難しいの?難易度と対策。
IELTS初心者のための10ステップ
英語力ゼロのレベルからIELTSのスコア達成までの道のりを10のステップに分けて説明します。技能ごとの具体的な対策は、次の項目で解説しますね。
ステップ『1』 自分が必要なスコアを把握する
自分が進学したい大学や大学院はどれぐらいのIELTSのスコアを要求しているのか?教育機関によっては、それぞれの技能の最低点が決められていることもあるので注意。
これを把握してから、全てが始まります。
ステップ『2』自分の英語力を確かめる
次に自分の英語力を確かめましょう。金銭的に余裕がある方は、一度IELTSを受けてみても良いです。ライティングとスピーキングは客観的な評価がないと分かりませんので、当校のお試しコースを受講してみてください。
リスニングとリーディングは、以下のページにある換算表から自分のスコアをチェックすることができます。
>>IELTSのスコア採点基準とその仕組み(Band descriptors)
ステップ『3』いつまでにスコアを達成したいのかを明確にする
スコアの期限を決めましょう。期限が特にないという方も、身を引き締めるために、ある程度のプランは立てるべきです。
一般的に、IELTSのスコアを0.5上げるのに必要な時間は三ヶ月程度と言われています。
ステップ『4』自分の目標スコアへのアプローチの方法を決める
例えば、目標スコアが7.0の場合。
- ライティング:6.5 / リーディング:7.0 / リスニング:6.5 / スピーキング:7.0 = オーバーオール7.0
- ライティング:6.5 / リーディング:7.0 / リスニング:7.0 / スピーキング:6.5 = オーバーオール7.0
IELTSのオーバーオールは切り上げなので、このどちらでもスコアは7.0になります。自分の得意な科目で稼ぎ、不得意な科目をカバーしましょう。
そうすることによって学習に割く時間の割合も変わってくるかと思います。
ステップ『5』単語力を増やす
このステップから、本格的なIELTS対策に入ります!
IELTSは『単語のテスト』と言われるほど、単語力が重要です。単語帳は『DUO 3.0』と『実践IELTS英単語3500』がオススメ。この二つは、書店に行けば大体置いてます。『ターゲット1900』や『キクタン』も良いですが、これは大学受験用の単語帳なのでIELTSに頻出の単語をカバーすることはできません。
IELTS対策をはじめる段階で、単語力には個人差がありますので、中学・高校の英文法から始めなければいけない人はまず『DUO 3.0』を使いましょう。店頭で『DUO 3.0』の単語はある程度知っていると判断した場合は、『実践IELTS英単語3500』で単語対策をしていきましょう。
単語の暗記はその単語に触れる『回数』が大切⭕
例えば最近、”quarantine(検疫、隔離)”という単語を覚えた人は多いはず🙋🏻♂️
コロナ関連でこの単語を見る機会が多くなったからですね!
単語帳を使って覚えている人は、そのページを完璧にするというより、8割ぐらいの気持ちで何周もすることが大切✍
— DEVELOP@IELTS/英文法 (@DEVELOP_toronto) April 6, 2020
単語を学習するときは『その単語に触れた回数』が一番大事です!単語の学習は一番最後のステップまでずっと続けていってください。
>>IELTSの単語対策!IELTSに必須な単語力とオススメ教材
ステップ『6』高校英語までを復習する
この段階では、まだIELTSは解き始めません。
なぜなら、文法が分かっていない状態でIELTSに太刀打ちするのは無謀すぎるからです。直近一年以内にTOEICで900以上を取ったことのある人は、このステップはスキップして良いでしょう。そうでない方は、まず、高校英語までの文法を総復習しましょう。
最近の文法教材は本当に充実しているので、どれでもかまいませんが、挙げるとすれば以下がオススメです。
時間を毎日しっかり取れる方であれば、早くて3週間で一冊終えることができます。多くの初心者はここでつまづいて諦めてしまいがちです。チューターを雇ったり、学校に通ったりするのも必要経費だと思って、なんとか頑張ってください。
ステップ『7』スピーキングの対策を始める
一番初めに、スピーキングの対策をすぐに始めてください。
留学経験がない方は、自分の意思を伝えられず、いざ喋ってみると『だんまり』という人がほとんどのはず。ここまでのステップで単語と文法力を磨けていれば、英語のベースはできています。つまり、時間はかかっても、頭で文章を構築する力はあるということです。
もしあなたがスピーキングの初心者の場合、話す内容はIELTSに関連しているものじゃなくても大丈夫です。『自分の伝えたい文章を頭で構築して、発言をする』という行為に慣れて、どんどんアウトプットの機会を設けてください。
ステップ『8』ライティング、リーディング、リスニングの対策を始める
日本語の教材も様々ありますが、教材は公式問題集を使っていくのがオススメ。
なぜなら、ほとんどの市販のIELTS単語帳は実際に出された過去問をもとに作られているからです。どうしても公式問題集に抵抗のある人は、日本語の教材から入っても良いですが、最終的には公式問題集を使っていくようにしましょう。最新は、IELTS 15です(2021年3月現在)。
ステップ『9』IELTS初めての受験
ここまできたらようやく受験の準備ができました。
この段階で、ステップ『8』で紹介した公式問題集を最低一冊は終わらせておくことが目標です。正直、初受験で目標スコアの達成をすることはかなりハードルが高いですが、自分の足元を確認するという意味でも、一度このあたりでIELTSの受験をすることをオススメします。
ステップ『10』何度も問題を解き、IELTSもなるべく受ける
もしIELTS初受験で目標スコアを達成できなかった場合は、どんどん新しい問題に触れて対策をしていきましょう。IELTS対策で意識すべきことは、
- 十分な単語力
- 時間内に解けるようになること
- パターン(問題形式)に慣れること
などがあります。
IELTS初心者に知ってほしい!本番で使えるコツやテクニックをプロが解説
IELTSにはテクニックやコツが存在し、これらをうまく意識することで、自分のスコアを最大限に引き出すことができます。以下の順で対策法を紹介します。
- ライティング
- リーディング
- リスニング
- スピーキング
ライティング
一番スコアが上がりにくいとされるライティング。ライティングの対策を語ると長くなってしまいますが、本当に大切なことを3つにまとめてみました。
- 文字数は最低限越すようにする。文字数が足りないとスコア『-1』のペナルティ発生。
- 単語力は思っているほど必要ではない。『アカデミックな単語を使うこと=ハイスコア』ではない。
- 読み手(試験官)にとって分かりやすい文を書く。絶対に読み手ファースト。
>>目指せハイスコア!IELTSライティングTask2対策。【5つのエッセータイプ】
リーディング
リーディングのコツやテクニックは、以下の記事で解説してあります。
>>IELTSリーディングの対策。問題タイプごとに解説します。
リスニング
リスニングのコツやテクニックは、以下の記事で解説してあります。
>>IELTS リスニング【スコアアップに役立つ5つのコツ】
スピーキング
スピーキングのコツやテクニックは、以下の記事で解説してあります。
まとめ
『IELTSの概要』『対策の10ステップ』『コツ&テクニック』の3つに分けて解説しました。
IELTSには二種類あり、それぞれで目的が違います。
・アカデミック(教育機関へ出願する場合)
・ジェネラル(移民を考えている場合)
テスト構成は
・ライティング
・リーディング
・リスニング
・スピーキング
の順で行われます。
対策として、
・IELTS初心者がスコアを達成するまでの10ステップ
・本番で使えるコツやテクニック
をお伝えしました。