IELTSスピーキングの対策は、パート1〜3それぞれで出やすい話題を事前に把握し、本番で話を止めずに続けられるように準備しておくことに尽きます。パート1は日常的な質問への受け答え、パート2は与えられたトピックについて1〜2分話し続けるスピーチ、パート3はパート2の内容を掘り下げるディスカッションで、パートごとに求められる対応が変わります。
この記事では、パートごとの出題傾向と対策に加えて、本番で使えるフレーズや試験官への印象を良くする振る舞いまで解説します。
この記事の執筆者

RikuとKohei(IELTS講師・二人ともIELTS Overall 8.0)。2009年にカナダ初の日本人講師陣によるIELTS専門校として創設されたスクールを運営し、12年間で1,500人以上の日本人を指導してきました。その経験と公式情報の裏取りをもとに、このブログを執筆しています。
( note:【IELTS攻略チャンネル】スクール生の実績 )
パートごとの対策をさらに深く知りたい方には、Part1〜3の攻略法をまとめたスピーキングロードマップをLINEで配っています。
IELTSのスピーキング対策を始める前に
IELTSのテスト項目で一番苦手な人が多いのは「ライティング」と「スピーキング」です。リスニングとリーディングは「そこにある情報」をインプットして解く形式というのに対して、ライティングとスピーキングは「白紙」から自分で積み上げていくアウトプットであるからです。
日本人は特にスピーキングが苦手な傾向がありますが、日本という国に住んでいたら、日常生活では英語は必要ないという事実がそこにまた拍車をかけているのではないでしょうか。この記事ではスピーキングの攻略をありとあらゆる角度から解説します。このIELTSの概要をしっかりと理解してからこの先は読んでください。

評価基準
スピーキングはパート1〜3までの3つに分かれており、評価基準は4つあります。
- Fluency and Coherence = 流暢さと首尾一貫性。沈黙、言い直し、繰り返しが最小限であり、質問の意図を汲み取って分かりやすく説明できる
- Lexical Resource = 語彙力の豊富さ。語彙力が多く、適切に使えているか
- Grammatical Range and Accuracy = 文法力。文法を幅広く、正確に使えているか
- Pronunciation = 発音。聞き取りやすいクリアな発音ができているか
まだ、スピーキングの概要を把握できていない人は概要のページを予習してきてください。
事前に知っておくべきことと、その対策
「スピーキングはどうせ本番で喋るだけのテストだから、対策なんてないんでしょ?」という人がいますが、いいえ、そんなことはありません。対策をして来た人として来なかった人ではスコアが大きく変わるでしょう。
パート1では自分に関しての個人的な質問をされます。パート2と3に関しては、様々なトピックについて話題を振られるわけですが、この出るトピックというのはある程度傾向があり、その対策もあります。
ですので、ぶっつけ本番のスピーキングではなく、常日頃からテストの状況をイメージする習慣をつけるのも、とてもいい対策です。
IELTSスピーキングパート①の対策 (4〜5分)
さて、それではパート①の攻略に入っていきます。
出るトピックに関してですが、一番多い問題の傾向としては4つあります。
- 仕事
- 勉強
- 故郷
- 家
この4つのトピックですが、あなたが誰か友達と初めて会った時に、まずはお互いに聞きあう質問の定番ではないでしょうか。ですので、パート1では、新しい出会いが日常生活に溢れている人にとっては、自分が普段から喋っている「自己紹介のお決まりの文」を伝えるだけなので比較的簡単に感じる人は多いと思います。一応、それぞれのトピックごとに、よく聞かれる質問をまとめてみたので参考にしてください。
よく出る定番の質問
仕事
- What is your job?
- Where do you work?
- How do you like it? Why? Why not?
- What was your first day like?
- What are you responsible for at your work?
- If you had a chance, would you change your job?
勉強
- What do you study?
- Do you like to study?
- Why did you choose that job?
- Is it a popular subject in your country?
- If you had a chance, would you change your subject?
故郷
- Where is your hometown?
- Do you like your hometown?
- What do you like about your hometown?
- How often do you visit your hometown?
- Has your hometown changed much since you were a child?
家
- Where is your home?
- Do you live in a house or a flat?
- Who do you live with?
- What would you change about your home?
- What are your neighbourhoods like?
あくまでもこれはよく出る例ですので、トピックが違うこともありますし、質問も違うこともあります。
ですが、パート1に臨む上で、最低これぐらいはすぐに答えれるように事前にある程度考えておいた方が良いでしょう。
他にも出るかもしれないトピック
- 誕生日
- 幼少期
- 食事
- 余暇
- 音楽
- 天気
- 交通
などがあります。
IELTSスピーキングパート②の対策 (3〜4分)
さて、スピーキングはここからが本番。パート1が終わってパート2に入ったら、試験官からトピックカードというものとメモ帳とペンが渡されます。トピックカードの見た目はそっくりそのまま、こんな感じです。
You should say:
・Where you went
・How many days
・What transportation you took
and explain how you felt about it.
これを受け取ったら、試験官がストップウォッチで時間を計り始めます。結構みなさん勘違いされてる方が多いようですが、IELTSのパート②のトピックカードに書かれている3~4つの質問は「答える必要はありません」。
回答の流れ
与えられたトピックについて1分だけ考える時間が与えられます。この考える時間に、メモ用紙にとりあえず思いつくことを書きまくります(ブレインストームと言います)。このメモですが、日本語でメモをとっても構いません。
ブレインストームをする際ですが、「文章を書く」というよりも「思いついた単語」をとりあえずたくさん書くようにしましょう。また、このスピーチの1分間は試験官の顔を見る必要はありませんので、自分のメモだけに集中してしゃべりましょう。
1分経過したら、試験官の「やめ」の合図のあとに、スピーチの時間が1〜2分与えられます。ここで一番大事なのは喋り続けることです。
ポイント
- スコア6.0を目指されている方などは、止まらないことが特に大事になってきます。
- スコア7.0よりも上を目指されている方は、話をスラスラとしゃべり続けることと、話の一貫性や語彙力、そして発音が課題となってくるでしょう。
予想されるトピック
パート2も出るトピックにある程度の傾向があります(必ずそうとは限りません)。
- 美術
- 本
- コミュニケーション
- 日課
- エクササイズ
- 家族
- 自分にとって特別なイベント
- ギフト
- 趣味
- インターネット
- 旅行
- 言語
- 音楽
- ニュース
- 尊敬する人
- スポーツ
- 思いがけない出来事
- 職業
ですので、これらの問題にすぐに答えることができるように普段から考えてください。毎日です。
・・・といってもそれはとても酷な話だと思います。こんなトピックについて日々考えるだなんて誰もしません。というのも、ここで言ったところで明日になったらみんな忘れていると思います。
じゃあどう対策すればいいか?
結論から言います。嘘をつきましょう。
何かこれを書いていて、悪いことを囁いているような気分に少しなってしまいますが、嘘をついても全く問題ありません。むしろ、嘘を全くつかずに、自分が経験したことのある、ありのままの話を、上に挙げたトピックに沿って、それぞれ詳しく論じることのできる華のある人生を送っていらっしゃる方がこの世に一体どれだけいるのでしょうか。
少なくとも私には無理だと思います。もちろん、IELTS側から「嘘をつきましょう」などと推奨されているわけではありませんが、スピーキングが終わった後にわざわざその人の過去のことや生活習慣を調べたりすることはするわけがありません。笑
ハッタリの例
例えば「あなたの友達にもらったことのある最高のプレゼントについて話しなさい。」という問題があるとします。
今までのあなたであれば、頭の中で「人生でそんなにプレゼントなんてもらったことないし、喋ることがない!!」と焦っているかもしれません。安心してください。
「自分が中学校の誕生日に親からクリスマスプレゼントとして買ってもらった携帯(またはスマホ)があるのですが・・・」という始め方をすれば、喋りやすくなりませんか?
携帯(またはスマホ)なんてみんな触ったことありますし、ほとんどの人は持っているものだと思います。普段から身につけているものなので、ある程度それについて語ることぐらい造作もないですし、ある程度長い期間保有していたものだと思いますので、少しは思い出があるものだと思います。
もちろん、この「携帯」という部分を別の物に変えてしまってもいいわけです。
明らかな嘘は良くない?
これだけ嘘をつけと推奨してきましたが、やはり「見え見えの嘘」というのは良くないと思います。
ある程度、一般的に聞いてもおかしくないようなことを言うぶんには問題ありません。ですが「私のお父さんは世界で一番のお金持ちなのですが・・・」なんて言ってしまうと、バレバレな嘘になってしまいます。
嘘をついてはいけないなんていうことは採点基準には含まれていませんが、試験官も人間です。
そこで無意識的に減点されかねませんので、嘘をつく際は気をつけてください。
IELTSスピーキングパート③の対策 (4〜5分)
最大の難関、パート3です。ここではパート2で聞かれた意見について、掘り下げられた質問をされます。ここでのテーマは一般的な議題について議論することです。
スピーキングの質問例
例えば、パート2で「地球温暖化が与える悪影響」についてスピーチしていたとします。
これに関して、掘り下げられた「一般的な議題について議論」するわけですから、このような質問になるのではないでしょうか。
また、それに対するベストな返しのサンプルとしては、
それに対して試験官は
と聞いてきたとして、それの返しとしては、
このように議論が展開されていくわけです。ここで注意事項が一つあります。受験者がしなければいけないのは「一般的な意見を発言すること」です。
合計で6〜8問の質問があり「一般的なことについての、あなたの意見」が問われています。個人的なお話ではないということを覚えておきましょう。
ですが、具体例として自分の経験などを例に挙げるのはOKです。他の注意事項として、たまに試験官が、受験者の発言に対して、突っ込んだ質問をしてくることがあるということです。もちろん、受験者はそれに対して根拠のある意見を提示しなければなりません。
質問がわからなかったらリフレーズを促す
パート3はディスカッションです。パート2のように、自分だけがしゃべるスピーチではありません。ですので、試験官も割とフレキシブルにリフレーズをしてくれます。
リフレーズとは「別の言い回しで表現する」という意味です。
IELTSスピーキングのその他の対策・・・①フレーズ
時間稼ぎや、ワンクッションおきたい時に使えるフレーズの紹介です。
知っておくだけで自然な会話に繋がりやすいと思いますので、不安な人は暗記してしまいましょう。
スピーキングで知っておきたいフレーズ
Let me see
「えーっと・・・」「ふむふむ」といった意味です。文頭に使えるフレーズです。
I’ve never thought about it, but I would say…
「そんなこと考えたこともありませんが、言うとすれば・・・」といった意味です。文頭に時間稼ぎをしたい時に使えるフレーズだと思います。
Well, I don’t really have a strong opinion on this, but…
「あまりこの事柄については強い意見を持っていないのですが・・・」
といった意味です。
What does XXX mean?
「XXXとはどういう意味でしょうか?」もう一度言ってほしい時に使うフレーズです。”Could you please say that again?”これでも大丈夫です。
IELTSのスピーキングにおいて、質問を聞き返すという行為は減点扱いにはなりませんので、分からなかった場合は、堂々と、もう一度たずねましょう。
こういった表現をもっと詳しく知りたい方は、スピーキングでのフィラーの使い方の記事をご覧ください。
スピーキングで便利な「理由」
IELTSのスピーキングでは、なにかにつけて、すぐに理由を求めてきます。「なぜそう思いますか?」「なぜそう思わないのですか?」といった具合です。そういった時に使える王道の理由としては以下が挙げられます。
何かと理由を答えるときに以下のトピックに絡めると答えやすくなることがありますので、参考にしてみてください。
- Money
- Health
- Family
- Work
- Education
あらかじめ、このように瞬時に使える理由や言い訳を準備しておくのはとても大事です。
スピーキングでは形容詞や副詞でイメージさせる
形容詞や副詞をたくさん使って、文に臨場感を出しましょうということです。
形容詞や副詞は文法上、単語や文を修飾する役割がありますので、的確な用途で使用すると、言いたいことを相手の頭にうまく伝えやすいです。
IELTSスピーキングのその他の対策・・・②印象
色々と書きましたが、結局のところ、試験官も人間です。
何が言いたいのかと言うと、この3つのポイントを押さえておいてほしいです。
- ハンドジェスチャー
- 目を合わせる
- 笑顔
試験官といえど、つまらなさそうに目を合わさずにつまらなさそうにしゃべる人と、楽しそうに手でジェスチャーを混ぜながら、目を合わせて喋ってくれる人であれば、断然後者のほうが印象は良いです。そういったところは判断基準に含めるべきではないとわかっていても、試験官も人間なので、心の底では無意識で判断してしまっているかもしれません。それに、楽しくジェスチャーを混ぜて喋っている方が、自分の頭も回転しませんか?
ジェスチャーを混ぜるというのは、自分のイメージを身体を使って表現しようとしていることですので、その手の動きによって、頭の中で言いたいことを言葉にしやすく、さらに、その方が自分の言っていることが伝わりやすいという統計が実際に出ています。スピーキングはIELTSの中で日本人が特に苦手とするところです。
IELTSのスピーキングではたったの「14分」しかなく、その間だけが試験官があなたの英語力を判断できる時間です。ということは、普段からは問題なく喋れていても、その14分間で全く力が発揮できなければ意ありません。そんな事態に陥らないためにも、しっかりと念入りに事前に準備をしておくことが大事です。
人ぞれだとは思いますが、目標スコアに達成するためには、スピーキングがどうしても足りない・・・。という方もたくさんいるのではないでしょうか?
この記事では、スピーキングのパートごとの攻略法をなるべく分かりやすいように解説してきたつもりですが、ライティングやスピーキングといったアウトプットの部分は独学で対策するのは非常に難しいのが正直なところです。
自分でスピーキングを行って試行錯誤するよりも、プロに修正してもらう方が効率も良く、客観的な意見が得られます。
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