棒グラフ(bar chart)とは、複数の項目の数値を棒の長さで比較して示すグラフです。
IELTS Writing Task1の棒グラフでは、グラフの中で目立つ特徴(大きな差がある部分・同じ数値の部分・変化しない部分)を選びます。それを適切な箇所だけ比較しながら、イントロ→概要→ボディ1→ボディ2の順にまとめます。
この記事では、実際の棒グラフの例題を使って、アウトラインの考え方から177語の完成例まで一気通貫で解説します。棒グラフの問題で比べる箇所を選べない方や、Task1のサンプル解答を手本に自分の答案の型を作りたい方におすすめです。


RikuとKohei(IELTS講師・二人ともIELTS Overall 8.0)。2009年にカナダ初の日本人講師陣によるIELTS専門校として創設されたスクールを運営し、12年間で1,500人以上の日本人を指導してきました。その経験と公式情報の裏取りをもとに、このブログを執筆しています。
( note:【IELTS攻略チャンネル】スクール生の実績 )
棒グラフ以外のTask1表現もまとめて確認したい方には、グラフ・マップ・ダイアグラムで使える表現リスト207選をLINEで配っています。
IELTSライティングTask1の棒グラフ(bar chart)とは
棒グラフ(bar chart)は、IELTSライティングTask1で出題される6種類のグラフ・図表タイプの1つです。どのパターンもある程度書き方をおさえておくことが重要です。
今回は実際に棒グラフの例題を参考に書き方を解説していきます。
ライティングTask1の種類
IELTSライティングの採点基準
IELTSライティングでは、まず4つの採点基準を理解しておくことが重要です。
- Task Achievement:問題の達成度(25%)
- Coherence and Cohesion:内容の一貫性(25%)
- Lexical Resource:語彙力(25%)
- Grammatical range and accuracy:文法(25%)
ここでは割愛しますが、採点に関して詳細が知りたい方は以下のリンクを参考にしてみてください。
棒グラフ(bar chart)の書き方
ライティングの対策は、ストラクチャー(書き方)を覚えないことには何も始まりません。ストラクチャーとはエッセーをどのように書くかという大まかな骨組みのことです。IELTSライティングは骨組みが決まっており、まずはこの骨組みを覚えることが重要です。
また、IELTS対策をする中で、様々なストラクチャーをネット上で見かけた人もいるのではないでしょうか。ライティング対策においてどれが正解でどれが不正解ということはありません。Task2を含めた各エッセータイプの型は、エッセータイプ別の対策と書き方にまとめています。今回は本校で指導しているIELTSライティングTask1のストラクチャーをお伝えします。
- イントロ(導入)
- 概要(全体的なまとめ)
- ボディ1
- ボディ2
棒グラフのアウトライン
棒グラフのアウトラインは、概要とボディ1・ボディ2に書く要点を、英語にする前に日本語で整理したものです。
The bar chart below shows the top ten countries for the production and consumption of electricity in 2014.
Summarise the information by selecting and reporting the main features, and make comparisons where relevant.
Write at least 150 words.


上の例題を使用していきます。
問題の意味を確認したら、まずアウトライン(下書き)を考えましょう。ただし、Task1は時間が20分と限られているため、あまり時間をかけすぎてはいけません。
アウトラインの例:アイデア
・生産、消費どちらも中国が圧倒的に1番、それについでアメリカが同じく生産、消費でどちらも2番。それ以外の国では大きな差がない。
概要では、パッとみてわかる情報を簡単にまとめます。
- 中国が、生産と消費どちらも圧倒的に多い
- 2番目にアメリカが、生産と消費どちらも大きな数字になっている
- アメリカについで、ロシアと日本となっていて、生産・消費とも860〜1,060程度である
- インドでは、消費と生産の数字に比較的ギャップがある
- 10ヶ国の中で唯一、ドイツが生産より、消費の方が大きい
ボディのアウトラインは、5〜6つ程度挙げられるとベストです。ボディの内容は、自分が気づいた事実をどんどんまとめていきましょう。この時、「どの国の数字がどれほど大きい」という観点だけではなく
② 消費と生産の数字は一貫して生産の方が多いのか?
といったように、比較を中心に、様々な観点でアイデアを出します。
アウトラインの例:カテゴリー分け
アイデアがまとまったら、ボディの内容を2つに分けましょう。
- 中国が、生産、消費どちらも圧倒的に多い
- 2番目にアメリカが、生産、消費どちらも大きな数字になっている
- アメリカについで、ロシアと日本となっていて、生産・消費とも860〜1,060程度である
・インドでは、消費と生産の数字に比較的ギャップがある
・10ヶ国の中で唯一ドイツが、生産より、消費の方が大きい
ただ闇雲にボディ1とボディ2を分けるのではなく、このようにカテゴリーで分けることが大切です。
棒グラフ:イントロ(導入)
棒グラフのイントロは、第1パラグラフにあたり、問題文のパラフレーズを書きます。パラフレーズとは、単語や表現を少し変えつつ、文章を言い換えることです。目指すスコアにもよりますが、問題文のパラフレーズはIELTSのライティングでスコアが稼げるポイントの一つです。
もう一度、問題文を見てみましょう。
The bar chart below shows the top ten countries for the production and consumption of electricity in 2014.
そしてこれが完成形です。
The bar chart illustrates how much electricity was produced and consumed by the top ten countries in 2014. Units are measured in billion kWh.
では、具体的にどこをパラフレーズすればいいのか、3つのポイントに分けて見ていきましょう。
パラフレーズ①:動詞の言い換え
まずは動詞のshowsをillustratesに変えています。グラフの問題では、「〜を示す」という意味の動詞が使われるケースが多いので、言い換え表現はいくつか知っておくべきです。
- show
- illustrate
- compare
パラフレーズ②:品詞の言い換え
問題文
the top ten countries for the production and consumption of electricity in 2014.
パラフレーズ後
how much electricity was produced and consumed by the top ten countries in 2014.
一番注目して欲しいポイントは品詞の言い換えです。
このように問題文の品詞を言い換える方法は非常に有効ですし、立派なパラフレーズです。
ただし、ライティング初心者あるあるなのですが、パラフレーズを意識しすぎるあまり、「全く別の単語を使わなきゃ!」という意識が働いて、頑張って言い換えをしてみたものの、逆に分かりづらくなることです。インターネットや辞書には同義語がたくさん載っていますが、「同じような意味でもニュアンスが少し異なる単語」であることが多いです。細かい違いは経験で覚えていくしかありません。
パラフレーズ③:単位
最後の部分に、単位(Unit)についての記述があります。
イントロの段階でこのように記述しておくことで、今後の文中で毎回、billion kWhと書かずに済みます(単位が%の場合はこの記述はしなくてOKです)。
ten countriesではなくfive countriesだけだった場合、five countries(China, the US, Russia, Japan, France)のようにカッコを使って、具体的な国を記述しても構いません。今回は国の数が10もあるので、あえて避けています。与えられている項目が、5つぐらいまでであればカッコを使って書いても問題ありません。
棒グラフ:概要(全体的なまとめ)
棒グラフの概要は、グラフ全体のまとめを1文で書く第2パラグラフです。
先ほど、アウトラインで考えた日本語を英語にしてみましょう。
Overall, China produced and consumed electricity the most and the United States had the second largest numbers in both production and consumption. Other than these two nations, there was not a significant difference among the remaining countries.
評価ポイント
- Overall,(概して)を文頭で使うと効果的です。
- 今回は、2014年の過去のデータになるので、時制は全て過去形で統一します。
棒グラフ:ボディ1
棒グラフのボディ1は、大きい数字の国と、それに次ぐ国をまとめる段落です。エッセーの要であるボディの一つ目です。同じ流れで、アウトラインで考えたアイデアをまとめていきましょう。
- 中国が、生産、消費どちらも圧倒的に多い
- 2番目にアメリカが、生産、消費どちらも大きな数字になっている
- アメリカについで、ロシアと日本となっていて、生産・消費とも860〜1,060程度である
More specifically, China had the biggest numbers for both production and consumption, with 5,398 billion kWh and 5,322 billion kWh respectively. Following China, the figures of the United States were also much bigger than those of other countries, with 4,099 billion kWh for production and 3,866 billion kWh for consumption. Following these two countries, Russia and Japan came next. The numbers of Russia were slightly higher than those of Japan.
respectivelyの使い方
ポイント①1つ目のポイントは、1文目の文末にあるrespectively(それぞれ)です。例えば、
Taro, Jiro and Saburo are 18, 16 and 13, respectively.
(太郎と、二郎と、三郎はそれぞれ、18才、16才、13才です。)
このように「数字の羅列+文末に挿入」という使い方ができます。数字の羅列をする時に非常に便利なので、Task1で好んで使われます。
Followingの使い方
ポイント②
2つ目は、Followingの使い方です。これは「〜に次いで」という意味になります。今回のように国を比較していく時によく使われる表現です。
those/thatの使い方
ポイント③
最後に、thoseの使い方です。最後の文のThe numbers of Russia were slightly higher than those of Japan.ですが、those of Japanの“those”は、前の“numbers”を指しています。単数の場合はthatとなり、どちらも代名詞として使います。Task1で非常によく使われる表現の一つなので覚えておきましょう。
棒グラフ:ボディ2
棒グラフのボディ2は、ボディ1に入らなかった「その他の情報」をまとめる段落です。最後に、ボディ2のアウトラインを英語にしましょう。
・10ヶ国の中で唯一ドイツが、生産より、消費の方が大きい
India had a relatively big gap between production and consumption, which were 871 billion kWh and 698.8 billion kWh. The other five countries had similar numbers with around 450 to 620 billion kWh. Except for Germany, the production number was constantly higher than the consumption number.
評価ポイント
- relatively(比較的)
- gap(差、ギャップ)
- except for 〜(〜を除いて)
棒グラフのエッセーの完成
棒グラフのエッセーの完成例は、イントロ・概要・ボディ1・ボディ2の4つの段落をつなげた177語の解答です。
- Introduction(導入)
The bar chart illustrates how much electricity was produced and consumed by the top ten countries in 2014. Units are measured in billion kWh.
- Overview(概要)
Overall, China produced and consumed electricity the most and the United States had the second largest numbers in both production and consumption. Other than these two nations, there was not a significant difference among the remaining countries.
- Body 1(ボディ1)
More specifically, China had the biggest numbers for both production and consumption, with 5,398 billion kWh and 5,322 billion kWh respectively. Following China, the figures of the United States were also much bigger than those of other countries, with 4,099 billion kWh for production and 3,866 billion kWh for consumption. Following these two countries, Russia and Japan came next. The numbers of Russia were slightly higher than those of Japan.
- Body 2(ボディ2)
India had a relatively big gap between production and consumption, which were 871 billion kWh and 698.8 billion kWh. The other five countries had similar numbers with around 450 to 620 billion kWh. Except for Germany, the production number was constantly higher than the consumption number.
(177 words)
制限時間20分でこれを書き上げるのは簡単ではありません。
棒グラフで失点しやすい3つのポイント
棒グラフのTask1で失点しやすいポイントは、主に3つあります。今回の例題に当てはめて確認しましょう。
- 分析力:中国とアメリカが生産・消費どちらも突出して大きい、ロシアと日本の数値が860〜1,060程度で近い、ドイツだけ生産より消費が大きいというように、大きな差・同じような数値・変わらない傾向を先に見極めないと、要点を落としがちです。
- 表現力:respectively、Following、those ofのような増減・程度・比較を表す表現を暗記していないと、数字を羅列するだけの単調な文になってしまいます。
- 比較:「make comparisons where relevant」の指示どおり、数値が近いロシアと日本のように関連する国だけを比較すれば十分で、10ヶ国すべてを総当たりで比較する必要はありません。
また、語数不足になりやすいのもTask1でよくあるつまずきです。時間配分のコツを意識して、まずは時間内に書き終えることを優先しましょう。
棒グラフの型を覚えたら、公式問題集の問題で自分の手で書く練習に進みましょう。同じTask1でも円グラフ(pie chart)や折れ線グラフ(line graph)は書き方のコツが変わるため、出題されたら該当記事も確認してください。
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