こんな疑問に答えます。
この記事の内容
- IELTSスピーキングのパートごとの独学方法
- 独学のアドバイス
- そもそも、スピーキングの基礎がない方へ
当校について
2009年にカナダ初の日本人講師陣によるIELTS専門校として創設され、11年間に渡って1,000人以上の日本人を指導。
IELTSのスピーキングを独学することは可能か
結論から言うと、IELTSのスピーキングの独学は「スピーキングの基礎ができている人は可能」と言うのが正しいでしょう。
ここで言うスピーキングの基礎というのは、頭の中で文章構築をすることに慣れている人のことです。
ピアノを練習するときに、それぞれの鍵盤の位置すら分かっていない人が、がむしゃらに勉強し続けても効率が悪いのと同じです。
スピーキングの基礎ができている人がIELTSを学習する際にフォーカスを置くポイントは
- IELTSスピーキングの頻出トピックごとに使いやすい表現の暗記
- スピーキングで使いやすいフィラーの暗記
- アイデアの暗記
の三つです。
スピーキングの基礎ができていない人は、ページ下部で紹介しているシャドーイングを今日から始めましょう。
スピーキングで6.0を取得するのに必要なレベル
まずはIELTSのスピーキングにおいて、試験官がどこを見て評価をするのか、を把握しましょう。
6.0は多くの人が目指すスコアですよね。
覚えておくべきは、4つの採点基準です。
Fluency and coherence(流暢さ) | Lexical resource(単語) | Grammatical range and accuracy(文法) | Pronunciation(発音) | |
日本語訳 | 自発的に長時間話すことができるが、繰返しや自己訂正によって統一感がたまに無くなる
いろいろな種類の接続詞や挿入句(談話標識)を使っているが必ずしも適切なわけではない |
いろいろなトピックに対応する単語を使って長時間話すことができ、その単語の意味を理解しているが、使い方を間違うことがある
パラフレーズをだいたい正しくできる |
基本および少し複雑な文法を使うことができるが柔軟さに欠けている
複雑な文章で間違うことがあるが、意味を伝えられないことはほとんどない |
正しい発音の要素をいくつか体現し、ある程度のコントロールができている
毎回ではないが正しい発音をすることができる 言いたいことが伝えられるが、たまに間違った発音により明確さが落ちる場合もある |
この中で、25%を占めているのにも関わらず、意外とおろそかにしがちなのが「発音」です。
日本人は発音を苦手とする人が多いと思いますが、一番短期的に伸ばすことが可能なパートになります。
英語のテストであるがゆえ、表現力に意識が向いてしまいがちですが、短期的にスピーキングを上げたい人は発音に注力した方が効率が良いです。
さらに細かい採点基準について知りたい方は、IELTSのスコア採点基準とその仕組み(Band descriptors)をご覧ください。
パート1の独学ポイント
パート1では、受験者のプライベートについて色々と質問されますので、事前の準備が大切です。
パート1の頻出の質問
- 仕事関係
- 学校関係
- 出身地
- 今の住まい
この辺は毎回聞かれる質問なので、事前に答える内容を準備しておきましょう。
2~3文が適切でしょう。結論を言って、プラスアルファの情報を1~2文ほど。ウォームアップ程度にとらえて、リラックスして臨みましょう。
パート1で頻出の具体的な質問内容
仕事関係
- What is your job?
- Where do you work?
- Why did you choose that job?
- Is it a popular job in your country?
- Do you like your job?
- Do you get on well with your colleagues?
- What was your first day like?
- Could you tell me a typical day of yours at work?
- What responsibilities do you have at work?
- If you had the chance, would you change your job?
- Do you plan to continue with your job in the future?
学校関係
- What do you study?
- Where do you study that?
- Why did you choose that subject?
- Is it a popular subject in your country?
- Do you like that subject?
- What was your day at school like?
- What are the main aspects of your subject?
- If you had the chance, would you change your major?
- Do you plan to get a job in the same field as your subject?
出身地
- Where is your hometown?
- Do you like your hometown?
- Do you often visit your hometown?
- What is your hometown like?
- What is the old place in your hometown?
- What is there for a foreigner to do or see in your hometown?
- How could your hometown be improved?
- Has your hometown changed much since you were a child?
- Is there good public transportation in your hometown?
- Do you think your hometown is a good place to bring up children?
今の住まい
- Where is your home?
- Do you live in a house or a flat?
- Who do you live with?
- Are there many rooms in your home?
- What would you change about your home?
- Do you plan to live there in the future?
- What facilities are there near your home?
- What is your neighbourhood like?
- Do most people live in houses in your country?
パート2の独学ポイント
Part2からがIELTSスピーキングの本番。
ここからはトピック別の表現を知ることが独学でできる対策です。
Part2では、以下のような紙が渡されます(Cue Cardと呼びます)。
受験者は1分間アイデアを考え、2分間スピーチをしなければなりません。
※公式問題集14 Test3から抜粋
Part2の型
Part2で話す内容は、トピックに関連するものであれば、何でも構いません。
この時に大切なのが5W1Hをもとにアイデア出しをするということです。
上の問題をよく読んでみると、Who/Where/Whenについては触れられていませんよね。
- 誰と(同僚?クラスメイト?)と行ったのか
- どこでそのタスクを行わなければならなかったのか
- いつ(または、いつまでに)そのタスクを行ったのか
など、言えることはたくさんあるはず。
また、多くの方が勘違いされているようですが、”You should say”の質問には答えなくても減点されることはありません。
そもそも採点基準にすら入っていませんので、自由にスピーチをしましょう。
パート2の頻出トピック
IELTSで出るトピックは多岐にわたります。
- ビジネス
- 文化
- 教育
- 環境
- 健康
- 言語
- 社会問題
- 科学技術
- 乗り物
などなど・・・。
それぞれ、全く別の話が展開されるので、それぞれのトピックで使いやすい表現を覚えておくことが非常に大切です。
このブログではIELTSに出やすい13のトピックごとに頻出の表現をリストしたものを無料配布しています。
手始めに、こちらの表現から覚えていきましょう。
無料教材|IELTSライティング・スピーキングトピック別表現集
パート3の独学ポイント
パート3はパート2に関連した問題が出題されます。
また、パート3で大切なのは、自分の意見を正当化すること。
結論→理由→具体例
の順番で意見を展開させましょう。
3~4文が適切でしょう。自分の結論(意見)を正当化(説明)するわけですから、自然とこれぐらいの長さになるはず。
パート3で便利なフレーズ
- It is likely that…
- It seems to me that…
- There is a chance that…
- In my opinion, / In my view,
- Personally speaking, / Generally speaking,
- I would like to point out that…
- For example, / For instance,
- So, to return to my original point, …
- So, that’s why I think…
IELTSスピーキング独学をするなら音声の録音は必須
音声を聞くのは自分だけです。
恥ずかしがらずに一度騙されたと思ってやってみてください。
スピーキングはしゃべっている間にいつの間にか内容の重複があったとしても、なかなか気づかないもの。慣れないトピックだと特にそうなってしまいがちですよね。
自分で自分の声を録音することによって、自分の内容が客観的に判断でき、修正点が見えてきます。
スピーキングの基礎がない人はシャドーイングを行う
特にスピーキングの基礎(頭の中での文章構築)に慣れていない人にとって、シャドーイングは効果的です。
巷では色々と方法が書かれているシャドーイングですが、正しくやれば、リスニングとスピーキングの向上に大きく貢献してくれます。
- 最初はテキストを読みながらでも難しいと思いますので、一文ずつ切りながら(一時停止、再生を繰り返す)やっても構いません。
- 最低、一つのパラグラフにつき20回程度は全部シャドーイングを行なってください。
- 自分の第一言語は英語だと勘違いするぐらい、ノリノリで音声をコピーしてください(ネイティブらしく、口をちゃんと動かして発音する)。
- 誰にも邪魔されない集中できる環境で行ってください。
- わからない単語の意味は全部調べてください(日本語で意味を100%理解した上で行うこと)。
- 読みながらでは効果は半減してしまいますので、慣れてきたら、できるだけ耳だけを頼りに暗記するつもりでがんばりましょう。
- 最終的には、音声と同じスピードで話せるように練習してください。理想としては、練習するうちに暗記できてきて、音声よりも速く話せるようになることです。
- 全てできるようになったら、音声を1.25倍~1.3倍にしてチャレンジしてみてください。これができるようになれば、そのパッセージはエキスパート。
詳しくは、シャドーイングの記事をご覧ください。
IELTSリスニングでシャドーイングを行うメリットとやり方を解説します
まとめ
正直、多くの人にとってスピーキングの独学(学校や他人を使わず、一人だけで学習するという意味)は敷居が高いと思います。
理由としては、モチベーションの低下が一つ目。そして二つ目が、どの部分をどのように改善すればいいのかを一番具体的に説明できるのは、採点基準をよく把握しているプロしかいないからです。
スコアアップのためには、どのような基準で自分のスピーキングが採点されるかを知っておかなければなりません。
講師にフィードバックをもらう時も、独学の時も、この採点基準に沿うことがとても大切です。