こんな疑問に答えます。
この記事の内容
- リスニングの問題構成
- IELTSリスニング学習者が必ず知っておくべきポイント
当校について
2009年にカナダ初の日本人講師陣によるIELTS専門校として創設され、12年間に渡って1,500人以上の日本人を指導。
IELTSのリスニングのスコアごとの正答数
※表は左右にスクロールできます。
バンドスコア | 9.0 | 8.5 | 8.0 | 7.5 | 7.0 | 6.5 | 6.0 | 5.5 | 5.0 | 4.5 | 4.0 | 3.5 | 3.0 | 2.5 |
スコア /40 | 39~40 | 37~38 | 35~36 | 32~34 | 30~31 | 26~29 | 23~25 | 18~22 | 16~17 | 13~15 | 10~12 | 8~10 | 6~7 | 4~5 |
リスニングはライティングやスピーキングのように抽象的なものではなく、正解か不正解かで判断できるので、正答数によってスコアが変動します。
IELTSを学習する多くの人は「進学」「移民」の二つに分かれますね。
移民の要求スコアは人それぞれですが、進学の場合は大体6.0〜7.5を目指す人が多いです。
- 海外のカレッジ、大学を目指す人(6.0の場合)→23〜25問正解
- 海外の大学院を目指す人(7.0の場合)→30〜31問正解
- 海外の大学院を目指す人(7.5の場合)→32〜34問正解
リスニングは全体で40問出題されますが、その中で受験者は上記の正答数を取らなければいけません。
IELTSのリスニングが得意な人、苦手な人
IELTSのリスニングでは、問題を先読みすることが非常に大切です。
そして、音声が再生される前の空白の時間でいかに問題の内容を把握できるかどうかは、リーディング力が大きく影響してきます。
リーディングが不得意な人は、先読みがうまくできずにリスニングの問題を攻略するのに苦労する人が多いです。
別パターンとして、スピーキングが得意な方はリスニングが得意というパターンもよく見かけます。
もう一つのパターンとして、今までTOEICを学習していた方は、リスニングとリーディングが比較的取りやすいという人もいます。一般的なTOEICはリスニングとリーディングで構成されているテストだからです。
そして、IELTSは使用されるアクセントが主にイギリス訛りであることから、なかなかとっつきにくく感じる人も多いです。これは数をこなしている内に慣れていくことが大切です。
IELTSリスニングの学習の準備
学習はCambridgeから出版されている公式問題集を使用するようにしましょう。他にも市販の問題集は様々販売されていますが、本格的にIELTSを勉強するのであれば過去問を解くことが一番効率が良いです。
そして、一般的に、リスニングで最もスコアが取りやすいPartの順番は以下の順番です。
- Part1(穴埋め問題)
- Part4(穴埋め問題)
- Part2(ストーリー理解が求められる問題)
- Part3(ストーリー理解が求められる問題)
※2020年度より、IELTSのリスニングの各章の名称がSectionからPartに変更されました(受験者にとっては特に何の影響もありませんが)。
IELTSリスニングの問題構成を表でチェック
シチュエーション | 問題形式 | 特徴 | |
Part 1 | 日常会話。ツアーの案内や問い合わせなど | 穴埋め問題 |
|
Part 2 | 話者は一人。入社式やイベントの紹介など。 |
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Part1や4と違い、話の流れが分かっていないとミスを招く |
Part 3 | アカデミックな会話。話者は2~3人で、プロジェクトやプレゼンの話が多い。 |
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Part1や4と違い、話の流れが分かっていないとミスを招く |
Part 4 | アカデミックな内容。大学の教授がずっと喋り続ける内容など。生物関係や環境関係の問題が多い傾向。 | 穴埋め問題 |
|
IELTSのリスニングの構成と対策:Part1
それでは早速Part1の対策に入っていきます。
Part1は二人の会話です。
よくあるトピックとしては、観光ガイドさんの案内や、電話越しのお問い合わせや予約などがあります。
また、1番から順番に時系列順に出てくるということも覚えておきましょう。
ポイント1. ほとんどの場合が穴埋め問題
2013年〜2021年の間で発売された公式問題集(過去問)には合計すると36回分の本番の問題が載っていますが、その中で選択問題が出ることは2回しかありませんでした。
それも全てが選択問題になっているわけではなく、Part1の一部が選択問題になっているだけです。
さらに選択問題の方が選択肢が絞られているのでまぐれでも当たる可能性が出てきます。できればもちろん根拠があっての正解が望ましいですが。
このように、稀に選択問題が出ることがありますが、ほぼ全てが穴埋め問題と思って問題ありません。
ポイント2. Part1は全力で
Part1だからといって気を抜かないようにしましょう!
ここで大きく点数を落としてしまうと理想のスコアからかなり遠ざかってしまいます。
なぜなら、Part1は最初のセクションなので他のセクションと比べるとだいぶ易しい問題内容になっており、他のPartはPart1より難しいので、難しくなっていくにつれて正答数は低くなるという前提をおくべきだからです。
ポイント3. Part1は簡単!
Part1が簡単な理由、それはズバリ、全体のストーリーが把握できていなくても点数が取れるというところにあります。
ほぼ毎回全てが穴埋め問題で構成されるため、空白箇所の前後の単語や表現から同義語をリスニングで聞き取れれば、全体のストーリーが把握できていなくても点数が取れるというのは穴埋め問題であるPart1とPart4の良いところです。
どのレベルの受験者も、ここでしっかりと点数を稼いでいくアプローチは取っていくべきでしょう。
ポイント4. ONE WORD AND/OR ONE NUMBERとは?
Part1やPart4の穴埋め問題では「文字数制限」が存在します。
具体的には、空白には「二文字まで」や「三文字まで」と制限があるものです。
それぞれPart1とPart4の冒頭に指定があるので、必ずチェックする必要があります。
文字数制限のパターンにもいくつかあり、例えば”ONE WORD AND/OR A NUMBER”であれば、”スラッシュ”で区切られていますので、
・ONE WORD OR A NUMBER(一単語または一数字)
のどちらかのパターンが答えになる可能性があるということです。
さらに二つ目のORに関しては、その中でもさらに分かれることになるので、合計で以下の3つの回答パターンがあるということになります。
・250 dollars
など
・map
など
・4500
など
などです。
特にPart1では日付を書く問題が多く、”ONE WORD AND/OR A NUMBER”と書かれているにも関わらず、”March 9, 2010″のように年まで書いてしまうと間違いになってしまいます。
ですが、最近の過去問を見る限りは、ほとんどの問題が”ONE WORD AND/OR A NUMBER”の制限で出題されていますので、年を書くことは基本的にはないと覚えておいて問題ないでしょう。
他にも、
- ONE WORD ONLY
- NO MORE THAN THREE WORDS AND/OR A NUMBER
- NO MORE THAN TWO WORDS AND/OR A NUMBER
があるので注意してください。
IELTSのリスニングの構成と対策:Part2
Part2の話者は一人です。
地図問題、穴埋め問題、マッチング問題、選択肢問題のいずれかから出題されます。
多くの場合はこの中から2つのタイプの形式が出題されますが、稀に選択肢問題だけしかないこともあります。
具体的な問題タイプごとの解き方に関してはこちらの記事を読んでみてください。
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ポイント1. 地図問題
地図問題は、リスニングのPart2でしばしば出される問題。
IELTSの地図問題はどのような問題構成であることが多いのか、そして地図問題特有の表現を覚えておくことが鍵となります。
あいこ ライティングの地図問題ってどう書くの? こんな疑問に答えます。 この記事の内容 地図問題の構成 サンプルアンサー 出題パターン 試験官はどこをチェックしてるのか? 地図[…]
ポイント2. 選択肢問題
選択肢問題はひっかけがとても多いです。
A/B/Cと選択肢があるとすれば、音声ではA/B/Cのすべての選択肢の内容が出てくることが多く、音声の中で言われた単語を選択しよう、という気持ちで聞いていたら結局正しい答えを選ぶことはできません。
問題文と選択肢に分かれていますが、ここでは優先的に問題文を見て、「自分が何を聞かれているのか」の把握を最優先とします。
問題文の理解ができたら、キーワードとなりそうな単語や表現にマークをつけます。
これは、音声が流れている時にもう一度問題を見てもある程度概要を把握できる状態に準備しておくことが大切だからです。
上で解説したように単語一つだけを聞き取って問題を解くとほぼ確実にひっかけの選択肢に誘導されてしまいますので、しっかりとした内容理解のために、リスニング力を上げる必要があります。
ポイント3. マッチング問題
マッチング問題の選択肢は様々ですが、主に三つのことを覚えておきましょう。
問題は音声順に出てくる
例えば16〜20がマッチング問題だとして、音声の中では答えは16番から順番に登場します。
まずは16番の答えが出てくると分かるだけでもフォーカスがしやすくなります。
キーワードに線を引く
問題文の理解ができればキーワードとなりそうな単語や表現にマークをつけます。
一つひとつの単語や表現というよりかはむしろ、「アイデア」にフォーカスを置く。
マッチング問題は話の内容、つまりアイデアを理解できているかがキーとなります。
一つの単語や表現に固執せずに、話者が発言したアイデアの理解に焦点を当てて聞きましょう。
ポイント4. 穴埋め問題
穴埋め問題のアプローチは基本的にPart1と変わりませんが、登場する単語が少しだけレベルアップしていたり、どうしても同義語の意識だけでは解けない問題もあります。
ここで真のリスニング力が要求される内容理解が必要になります。
ポイント5. Part2の対策
小手先のテクニックだけでは解けない問題に対しては、大きく四つの対策が必要です。
①シンプルなリスニング力の強化
リスニング力不足の一番の解決方法はシンプルにもっと聞く時間と量を増やすことです。
ただ聞くだけではなく、正しい方法と意識で聞く必要があります。使う教材はIELTS公式問題集リスニング音源で問題ありません。
最終的な着地点としては、スクリプト(公式問題集の最後に書かれているリスニングの全内容が書き出されているもの)なしでも内容が理解できるところまで持っていくことです。
そのためには、シャドーイングを行いましょう!!
IELTSリスニングでシャドーイングを行うメリットとやり方を解説します
もしIELTSのスクリプトのシャドーイングが難しいと感じた場合は少しレベルを下げた教材を使いましょう。
イギリス英語に特化した以下の教材は非常にオススメです。
②単語力強化
単語力の不足が原因の場合は、こちらの記事で紹介している教材を使うことをオススメします。
また、答えの該当箇所で知らない単語があった場合は、必ず覚えておくようにしましょう。
③アクセントに慣れる、またはリエゾンを克服
この2つは少し似ているので同時に解説します。
リスニングの問題で不正解の問題が内容を理解できなかったことが原因にあるとすれば、リエゾン(音のつながり)やブリティッシュ特有のアクセントが聞き取れなかったことなども挙げられると思います。
その箇所がスクリプト内で特定できているのであれば、その音声部分を一つ一つの音が繋がっているという認識が完全に頭で理解できるまで繰り返し聞き、スクリプトがない状態でも音のつながりなどが弊害なく理解できる状態に持っていくことが理想です。
リエゾンを拾えないことによって音声の中でロストしてしまい、その箇所以降、内容理解ができなくなるということは心当たりがあるのではないでしょうか。
IELTSのリスニングの構成と対策:Part3
Part3の話者は2〜3人です。
穴埋め問題、マッチング問題、選択肢問題のいずれかから出題されます。
アプローチはPart2と変わりませんが、出てくる単語や話の内容が少しだけアカデミック寄りの内容になります。
一番難しいセクションと言われているので、ここを得点源にするのは現実的ではありません。
比較的取りやすいPart1と4でしっかりと稼ぐようにしましょう。
IELTSのリスニングの構成と対策:Part4
ほとんどの場合が穴埋め問題ですが、稀に選択肢問題が出てくるものもあります。
アプローチはPart1と同じですが、内容がアカデミックなものになります。
- 動物の生態系(とそれに関連する環境問題)
- 歴史(大昔に栄えた村の話、コーヒーの歴史など)
- 自然科学の話(潮の流れ、再生可能エネルギー、ナノテクノロジーなど)
- 環境問題
- 会社のあり方について
などがあり、Part1同様、順番に時系列順に出てきます。
IELTSのリスニングの構成と対策:見直し
全セクション終了後は自分の答えを回答用紙に移す時間が与えられます(10分)。
ここで見直しも含めて行うのですが、コンピューターの試験では見直しの時間が2分しかありませんのでご注意ください。
また、リスニングはコンピューター受験の場合、ノイズキャンセリング付きのヘッドフォンが支給されます。
PC受験の細かい内容についてはこちらの記事を見てください。
IELTSのリスニング対策のアドバイス
リスニングの対策をしていく上で、心に留めておくべきことがいくつかあります。
アドバイス1. 聞き取れなかった問題は潔く飛ばす
音声は一度しか再生されません。なので、聞き取れなかった問題は潔く捨て、次の問題に備えることが大事です。
もしそこで立ち往生してしまうと、次の問題にまで影響が出てきます。
アドバイス2. 答えは大文字で書く
意外と知らない人が多いかもしれませんが、実はリスニングとリーディングの答えはすべて大文字で書いても問題ありません。
例えば、
- DICTIONARY
- MONDAY
- DECEMBER
本来、頭文字だけが大文字であるべき単語を大文字で書いても正解となります。
例えば、”Olympics”という答えが過去問で一度出ているのですが、Oが大文字であるのかどうか分からないとなった場合は大文字で”OLYMPICS”と書いておけば正解になります。
こういった理由から、リスニングとリーディングは答えをすべて大文字で書くことを心がけておくとミスが減ります。
IELTSのリスニングの構成と対策のまとめ
冒頭でも述べたように、リスニングは一朝一夕で伸びるテストではありません。
『1年後や2年後にやIELTSにチャレンジしたい!』
と思っているなら、なるべく早い段階で勉強を始めることをオススメします。