こんな疑問に答えます。
この記事の内容
- IELTSライティングの添削例を公開
- 6.0→7.0にスコアアップするためには?
当校について
2009年にカナダ初の日本人講師陣によるIELTS専門校として創設され、12年間に渡って1,500人以上の日本人を指導。
IELTSライティング学習における大前提
IELTSライティングを学習する上で一番大切なのは、学習者自身がライティングの採点基準を把握することです。
採点基準を把握しないまま、がむしゃらに学習を続けてもライティングは絶対に上がりません。
基本的にライティングは独学で学習することは難しく、学校に通ってプロの添削を受けること以外にスコアアップの道は正直ありません。
ライティングを6.0から7.0に上げるには:例題
今回はこちらの例題を進めていきます。
IELTSライティングのTask2には5つの問題パターンがありますが、今回はAdvantage Disadvantageエッセーと呼ばれる問題パターンです。
ライティングを6.0から7.0に上げるには:回答例
こちらが添削前のライティングです。
回答者はTOEIC800点の英語力があるスタッフです(講師ではありません)。
Recently, the majority of parents buy their children numerous toys to play with. There are some arguments whether it is beneficial for children or not.
It is reasonable that parents consider making their children play with toys worthy. Firstly, If children spend the vast amounts of time playing with toys, it would lead to the drastic reduction of the time when for parents to take care of their children. My parents did not have ample time to take care of me, however, they did not need to pay attention to me because I completely focused on engaging in playing with toys. Furthermore, the part of most children might acquire the ability to think logically through/by playing with toys. According to a survey, children who have experienced playing with a board game can manage some issues three times as quickly as their counterparts.
There are some drawbacks that parents ought to recognize before letting their children play with toys. Needless to say, some toys have a danger that would cause the fatal situations for children. For instance, my nephew who was two years old at that time was in danger when he swallowed a piece of toy accidentally. Thus, toys are occasionally might be risky existence for infants. Moreover, providing children with the latest toys tightens family finances. An economist claims that the budget for toys is more than 10 percent in total expenses.
In conclusion, there are convincing arguments about whether children play with toys. I believe that as a result of my traumatic experience seeing my nephew suffering from his accident, parents should be careful regarding what kinds of toys they buy for their children.
一見、よく書けているように見えますが、トータルのスコアはおそらく5.5~6.0になるでしょう。
採点の細かい内訳は以下の通りです。
Coherence and Cohesion(内容の一貫性):5.0~5.5
Lexical Resource(語彙力):5.5~6.0
Grammatical Range and Accuracy(文法の知識、正確さ):6.0スコア:5.5~6.0
このように、一見して文法のミスが少なく、単語力も悪くはない文章ですが、Task ResponseやCoherence and Cohesionの部分でやや点数が低くなっています。
ではなぜ、こういったスコアが与えられてしまったのか、そしてどのように書けばよかったのかを段落ごとに解説していきます。また、今回は細かい文法のミスの解説は省きます。
ライティングを6.0から7.0に上げるには:イントロ
ではイントロから見ていきましょう。
修正前
Recently, the majority of parents buy their children numerous toys to play with. There are some arguments whether it is beneficial for children or not.
2. 自分の意見
イントロは、基本的に2部で構成します。
修正後
Recently, the majority of parents buy their children numerous toys to play with. Playing with toys can help children to be logical, while there are some drawbacks that should be considered.
変わった部分は、2文目です。
元々の回答では、”There are some arguments whether it is beneficial for children or not”と書かれていました。さらに、”arguments”とも書かれていました。
今回は、『advantageとdisadvantageはなんですか?』と聞かれている問題です。beneficial(利益的)かどうかの”arguments(議論)”があるという書き方では、どちらがいいのか問われているdiscussionエッセー(別の問題タイプ)と混同してしまいます。
したがって、このように”Playing with toys can help children to be logical, while there are some drawbacks that should be considered”という、『”advantage”と”disadvantage”があります』という書き方に変えています。
また、前半の”advantage”は具体的に書き、後半の”disadvantage”はあえて具体的に記述していません。このバランスが取れていない部分は、第4パラグラフである結論で逆にすることによってうまくバランスをとります。
ライティングを6.0から7.0に上げるには:ボディ1
次にボディ1のパラグラフです。修正を加えたものがこちらです。
グレーは修正が必要な箇所で、赤は書き加えた箇所です。
修正点について
1. It is reasonable that parents consider making their children play with toys worthy.
これも、ただシンプルに『advantageがあります』という文章にわかりやすく書き換えます。『こうすべきだ、こっちの方が優れている』というニュアンスを出すのは適切ではありません。さらに、最後の”worthy”はなくてもいいですね。
また、”advantage”と”disadvantage”が問われている問題では、”On the one hand ~(一方では)”という表現を1番初めの文に入れるべきです。
2. If children spend the vast amounts of time playing with toys, it would lead to the drastic reduction of the time when for parents to take care of their children.
この文章はミスとして見逃すわけにはいきません。
なぜならこれは、子供にとってのadvantageではなく、親にとってのadvantageになっているからです。
問題文では、”What are the advantages and disadvantages for the child ~”とあり、『子供にとっての”advantage”』が問われています。
これが、大きくTask Responseを下げている要因になってしまいます。なので、ここは丸々書き換える必要があります。
3. the part of most → mostの方が自然です。
4. through → byでもどちらでもOKです。
ライティングを6.0から7.0に上げるには:ボディ2
次にメイン2ですが、添削したものがこちらです。順番に解説をしていきます。
1. メイン1で、on the one handを使用しているので、ここでは”on the other hand”を使います。
2. some toys have a danger → some toys may impose a danger
適切な表現に言い換えます。
3. cause → lead to
こちらはどちらでもOKですが、知っておくといい言い換えです。
4. ボディ1と同様に、”For instance”以下が身近な人物の例になっています。
このように機械的で同じようなパターンで書いてしまうと、場合によってはワード数にカウントされないこともありますのでオリジナル性を出していくことも大切です。
5. they are might be risky existence → they are risky(be動詞が2つある)
表現が冗長なのでシンプルにする。添削をしているとよく、”would”や”could”などを使うエッセーを見かけます。
場合によっては使用しても大丈夫ですが、毎回これらを使うと説得力が落ちますので、使いすぎには気をつけましょう。
6. これもボディ1と同様に、『子供にとってのdisadvantage』ではなく『親にとってのdisadvantage』になっています。
7. 2番と同じで機械的です。
8. is more than → often exceeds more than
より自然な表現にします。
では、全体的に修正したものをまとめます。
ライティングを6.0から7.0に上げるには:コンクルージョン
最後にコンクルージョンの段落ですが、
修正前
In conclusion, there are convincing arguments (to be made) about whether children (should) play with toys.(イントロと同じ) I believe that as a result of my traumatic experience seeing my nephew suffering from his accident, parents should be careful regarding what kinds of toys they buy for their children. (聞かれていない)
まず1文目ですが、”In conclusion, there are convincing arguments (to be made) about whether children (should) play with toys.”ここはイントロと同様で、“arguments”と書いてしまうと、どちらがいいのか争っているdiscussionエッセーと混同してしまいます。
あくまで、advantageとdisadvantageをそれぞれ聞かれているだけで、誰もどちらがいいのかについて争っている訳ではありません。
また、2文目も同じで”parents should be careful ~”と完全に聞かれていないことを回答してしまっています。これは言及する必要がありません。
修正後
In conclusion, although playing with toys brings some benefits to children, it can lead children to a serious situation where they might get hurt.
書き方はイントロの2文目と似ています。advantageに関してはイントロで具体的に述べたので、コンクルージョンでは、disadvantageを具体的に書きます。
最後に
あくまで参考なので、スコアの評価にはややブレがあるかと思います。また、実際に添削する際には、添削度合いは人によってやや異なります。あまり大きく変更する必要がない場合と、大きく修正する必要がある場合で変わるのでそちらもご参考までに。