こんな疑問に答えます。
この記事の内容
- Task1の棒グラフの正しい書き方
当校について
2009年にカナダ初の日本人講師陣によるIELTS専門校として創設され、12年間に渡って1,500人以上の日本人を指導。
Task1の種類
IELTSライティングのTask1では、主に下記の6種類のタイプから出題されます。どのパターンもある程度書き方をおさえて置くことが重要です。
今回は実際に棒グラフの例題を参考に書き方を解説していきます。
ライティングTask1の種類
- 棒グラフ(今回)
- 円グラフ
- 表
- 折れ線グラフ
- 地図
- ダイアグラム
IELTSライティングの採点基準
IELTSライティングでは、まず4つの採点基準を理解しておくことが重要です。
・Coherence and Cohesion:内容の一貫性(25%)
・Lexical resources:語彙力(25%)
・Grammatical range and accuracy:文法(25%)
ここでは割愛しますが、採点に関して詳細が知りたい方は以下のリンクを参考にしてみてください。
IELTSのスコア採点基準とその仕組み(Band descriptors)
棒グラフの書き方
ライティングの対策は、ストラクチャー(書き方)を覚えないことには何も始まりません。
ストラクチャーとはエッセーをどのように書くかという大まかな骨組みのことです。IELTSライティングは骨組みが決まっており、まずはこの骨組みを覚えることが重要です。
また、一部の人はIELTS対策をする中で様々なストラクチャーをネット上で見かけているのではないでしょうか。
ライティング対策においてどれが正解でどれが不正解ということはありません。今回は本校で指導しているIELTS Task1のストラクチャーをお伝えします。
- イントロ(導入)
- 概要(全体的なまとめ)
- ボディ1
- ボディ2
必ずしもこの形で書くのが正解という訳ではなく、あくまでIELTS対策のストラクチャーの1つとして考えてください。
棒グラフのアウトライン
上の例題を使用していきます。
問題の意味を確認したら、まず初めにアウトライン(下書き)を考えましょう。ただし、Task1は時間が20分と限られているため、あまり時間をかけすぎてはいけません。
アウトラインの例:アイデア
・生産、消費どちらもアメリカが圧倒的に1番、それについで中国が同じく生産、消費でどちらも2番。それ以外の国では大きな差がない。
・アメリカが、生産と消費どちらも圧倒的に多い
・2番目に中国が、生産と消費どちらも大きな数字になっている
・中国についで、ロシア、インド、日本となっていて、それぞれの数字は800~1000程度である
・日本では、消費と生産の数字に比較的ギャップがある
・10ヶ国の中で唯一、ドイツが生産より、消費の方が大きい
ボディの内容に関してはこれといった正解はないので、自分が気づいた事実をどんどんまとめていきましょう。
この時、『どの国の数字がどれほど大きい』という観点だけではなく
② 消費と生産の数字は一貫して生産の方が多いのか?
といったように、比較を中心に、様々な観点でアイデアを出します。
アウトラインの例:カテゴリー分け
アイデアがまとまったら、ボディの内容を2つに分けましょう。
・アメリカが、生産、消費どちらも圧倒的に多い
・2番目に中国が、生産、消費どちらも大きな数字になっている
・中国についで、ロシア、日本、インドとなっていて、それぞれの数字は800~1000程度である
・日本では、消費と、生産の数字に比較的ギャップがある
・10ヶ国の中で唯一ドイツが、生産より、消費の方が大きい
ただ闇雲にボディ1とボディ2を分けるのではなく、このようにカテゴリーで分けることが大切です。
棒グラフ:イントロ(導入)
まずは、第1パラグラフ。イントロでは、問題文のパラフレーズをします。
パラフレーズとは、単語や表現を少し変えつつ、文章を言い換えることです。目指すスコアにもよりますが、問題文のパラフレーズはIELTSのライティングでスコアが稼げるポイントの一つです。
もう一度、問題文を見てみましょう。↓
The bar chart below shows the top ten countries for the production and consumption of electricity in 2016.
そしてこれが完成形です。↓
The bar chart illustrates how much electricity was produced and consumed by the top ten countries in 2016. Units are measured in billion kWh.
パラフレーズ①:動詞の言い換え
まずは最初の動詞のshowsをillustratesに変えています。グラフの問題では、『〜を示す』という意味の動詞が使われるケースが多いので、言い換え表現はいくつか知っておくべきです。
- show
- illustrate
- compare
パラフレーズ②:品詞の言い換え
問題文
the top ten countries for the production and consumption of electricity in 2016.
パラフレーズ後
how much electricity was produced and consumed by the top ten countries in 2016.
一番注目して欲しいポイントは品詞の言い換えです。
↓
produced and consumed(動詞)
このように問題文の品詞を言い換える方法は非常に有効ですし、立派なパラフレーズです!
ライティング初心者あるあるなのですが、パラフレーズを意識しすぎるあまり、『全く別の単語を使わなきゃ!』という意識が働いて、頑張って言い換えをしてみたものの、逆に分かりづらくなることです。
インターネットや辞書には同義語がたくさん載っていますが、『同じような意味でもニュアンスが少し異なる単語』であることが多いです。細かい違いは経験で覚えていくしかありません。
パラフレーズ③:単位
最後の部分に、単位(Unit)についての記述があります。
イントロの段階でこのように記述しておくことで、今後の文中で毎回、billion kWhと書かずに済みます(単位が%の場合はこの記述はしなくてOKです)。
棒グラフ:概要(全体的なまとめ)
全体のまとめの文章を1文書きます。これは第2パラグラフにあたる部分です。
先ほど、アウトラインで考えた日本語を英語にしてみましょう。
・生産、消費どちらもアメリカが圧倒的に1番、それについで中国が同じく生産、消費でどちらも2番。それ以外の国では大きな差がない
Overall, the United States produced and consumed electricity the most and China had the second largest numbers in both production and consumption. Other than these two nations, there was not a significant difference among the remaining countries.
ポイント
- Overall,(概して)を文頭で使うと効果的です。
- 今回は、2016年の過去のデータになるので、時制は全て過去形で統一します。
棒グラフ:ボディ1
エッセーの要であるボディの一つ目です。
同じ流れで、アウトラインで考えたアイデアをまとめていきましょう。
・アメリカが、生産、消費どちらも圧倒的に多い
・2番目に中国が、生産、消費どちらも大きな数字になっている
・中国についで、ロシア、インド、日本となっていてそれぞれの数字は800~1000程度である
More specifically, the United States had the biggest numbers for both production and consumption, with 5,450 billion kWh and 5,320 billion kWh respectively. Following the United States, the figures of China were also much bigger than other countries, with 4,289 billion kWh for production and 3,912 billion kWh for consumption. Following these two countries, Russia and India came to the next. The numbers of Russia were slightly higher than those of India.
ポイント①
1つ目のポイントは、1文目の文末にあるrespectively(それぞれ)です。例えば、
Taro, Jiro and Saburo are 18, 16 and 13, respectively.
(太郎と、二郎と、三郎はそれぞれ、18才、16才、13才です。)
このように『数字の羅列+文末に挿入』という使い方ができます。数字の羅列をする時に非常に便利なので、Task1でよく好んで使われます!
ポイント②
2つ目は、Followingの使い方です。
これは「〜に次いで」という意味になります。今回のように国を比較していく時によく使われる表現です。
ポイント③
最後に、thoseの使い方です。
最後の文のThe numbers of Russia were slightly higher than those of India.ですが、~ those of Indiaの“those”は、前の“numbers”を指しています。
単数の場合はthatとなり、どちらも代名詞として使います。Task1で非常によく使われる表現の一つなので覚えておきましょう。
棒グラフ:ボディ2
最後に、ボディ2のアウトラインを英語にしましょう。
・日本では、消費と、生産の数字に比較的ギャップがある
・10ヶ国の中で唯一ドイツが、生産より、消費の方が大きい
Japan had a relatively big gap between production and consumption, those were 879 billion kWh and 720 billion kWh. The other five countries had similar numbers with around 500 billion kWh. Except for Germany, the production number was constantly higher than the consumption number.
ポイント
- relatively(比較的)
- gap(差、ギャップ)
- except for~(〜を除いて)
棒グラフのエッセーの完成
The bar chart illustrates how much electricity was produced and consumed by the top ten countries in 2016. Units are measured in billion kWh.
Overall, the United States produced and consumed electricity the most and China had the second largest numbers in both production and consumption. Other than these two nations, there was not a significant difference among the remaining countries.
More specifically, the United States had the biggest numbers for both production and consumption, with 5,450 billion kWh and 5,320 billion kWh respectively. Following the United States, the figures of China were also much bigger than other countries, with 4,289 billion kWh for production and 3,912 billion kWh for consumption. Following these two countries, Russia and India came to the next. The numbers of Russia were slightly higher than those of India.
Japan had a relatively big gap between production and consumption, those were 879 billion kWh and 720 billion kWh. The other five countries had similar numbers with around 500 billion kWh. Except for Germany, the production number was constantly higher than the consumption number.
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まとめ
『IELTSの棒グラフの書き方。ライティングTask1の対策』をまとめました。